じーむです。こんにちは。
初期研修1年目が終わろうとしています。
あっという間の1年でした。
僕の研修病院では病棟当直とER当直を法外な頻度で行うため、無数*1に経験を積むことができます。しかし、屋根瓦式教育*2が主体である以上、自主的に勉強して正確な知識のインプットを行わないとメチャクチャ動けるだけのヤバい奴になってしまいます。
それに、当院では研修医にERの裁量権の全てが与えられており*3、コンサルト・帰宅の判断は研修医のみで行います*4。つまり、不勉強は患者の死を招き得るということです。コワ〜
そういうわけで、給料と休日の大半を座学に使ってきました。おかげさまで、テキトーに1年間過ごすよりは多少マシな研修医には慣れたと思います。
せっかくなので、1年目に読んで良かった本の一部を紹介しようと思います。
今回は、内科・ER編です。この2つは研修医が活躍する場の基本だと思います。あと、ERにおける三種の神器である血液ガス・心電図・エコーについても書きました。
内科
バイブルです。世間的には「内科レジデントの鉄則」という本の方が有名ですが、どちらか1冊持っていれば良いと思います。個人的には、こちらの方がより具体的で実践的な印象です。電子版も書籍版も持っています。リファレンスにも読み物にも使えます。添付文書を見やすくまとめたみたいな本です。働いて思ったのは、とにかく薬の名前を知らなすぎることです。逐一調べるしかありませんね。電子版が極めて便利です。
ガイドラインをわかりやすくまとめた本です。処方例も掲載されており、イケています。どういう手順で診療を進めれば良いかがフローチャートで示されており、今後の方針ひと目でわかります。ありがたいです。つい最近、改訂されました。
当院は病棟コールも研修医が受け、自分で対応します。内容は、心不全やショックから下剤・眠剤の処方まで、様々です。この本は、病棟のよくあるトラブルに対する処方や効果的な継続指示について詳しく書かれており、とても良いです。書籍版・電子版ともに持っています。
ホスピタリストのための内科診療フローチャート第3版
内科診療の全てが載っています。偉いのは、いちいち記載に根拠となる論文が載っていることです。要は、膨大なエビデンス集です。カッチリした内科の本が一冊欲しいなら、間違いなくコレだと思います。これもつい最近改訂されました。
ER
救急外来のバイブルとしてあまりに有名です。通読が必須でしょう。学生が読んでも非常にタメになります。隠れた名著です。ERではいつもお守りとしてポケットに忍ばせていますが、フルカラーかつ図も豊富で、フツーに読み物として優れています。特に、読影手順のところは非常に参考になります。ERに関して何か一冊ポケットリファレンスを買うなら、コレを強く推奨します。
イケてるマネジメントをするための本です。タイトルは救急外来となっていますが、ER以外でも使える知識が盛りだくさんです。コレをやった方がいい、コレはやっちゃダメ!みたいなことが分野ごとに羅列されています。小技集みたいな感じです。「低血糖にブドウ糖を入れるときはビタミンB1も入れよう」みたいな当たり前すぎることから、「味覚障害に亜鉛を漫然と処方するのはやめよう*5」みたいなマニアックなことも書かれています。
これを一冊読んでおけば、基本的な整形外科疾患への対応はできるようになります。病歴・身体診察・X線読影に関する幅広い知識が身に付きます。ERは整形外科疾患も多く来ますが、国試では手薄になりがちなので、この本はほぼ必須です。
血液ガス
血液ガスに関して、難しいことはよくわからないのですが、とりあえずこの本をよく読んでおけば良いと思います。僕はあまり困ったことはないです。ΔΔ(デルタデルタ)とかStewart Approachといった謎の概念は、後々勝手に身に付きます。かなり読みやすいため、学生のうちに読んでおくのはアリです。
心電図
まず、「3秒で読む」を身に付けてルーチンの読み方を確立させ、心電図ハンターで主訴別のポイントとマネジメントを身につけるのが良いと思います。血液ガスもそうですが、検査は決まりきった自分なりの読み方を身につけておくと、漏れが少なくて良いです。余談ですが、骨折ハンター・心電図ハンターといったハンターシリーズは画像や所見を提示して「次に何をする?」まで決めさせる点が非常に実践的で好きです。ケアネットTVに、著者である増井先生本人が解説を務める動画版もあるので、併せて視聴すると効果的だと思います。
エコー
院内の研修会などによく参加していますが、結局のところいつも勘で当てており、不勉強です。エコーに関する本はこの1冊しか持っていません。この本には当て方の動画がたくさん付いており、参考になります。あと、肺エコーに言及されている点も良いです。肺エコーはとても優れているので、みなさんもやりましょう。とりあえず、以上です。後ほど、各科編を書こうと思います。それでは。
おわり