みなさんこんにちは.スマブラにハマっています.じーむです.
突然ですが,まずは何も言わずにこの問題を解いて下さい.
解法1
フツーの高校生はこう解きます.
なぜこんなことをするかというと,チャート式にそう書いてあるからです.数研出版サイコー!一番好きな出版社です!
そんで,
となるんで,あとはこいつを合成してやるだけです.
合成でコサイン!?ってなった人は上野動物園に行ってニホンザルに質問してください.多分,「コサインの加法定理を考えてみるといいウキー」とか言って親切に教えてくれると思います.ニホンザルは頭が良いので.
まあ結局,αがいくつなのかなんてのはどうでもよくて,θが一周回ってくれるのでコサイン部分の最大値と最小値はそれぞれ1と-1です.
ということで,
でした.
解法2
解法1は悪くないです.でも,個人的には良くもないです.なぜなら,
というのがキモいからです(最小値についても同様).じゃあθいくつやねんって感じになります.ならないならいいんですが.
ちょっとマジメに勉強している高校生ならこう解きます.
内積に分解しちゃうんですね.定石です.旧石器時代よりも前の定石時代から使われています(は?).
で
これなら,等号成立のタイミングが分かりやすいです.図形的に考えても,二つのベクトルが線形従属のときねってなります(内積は一つのベクトルと,もう一つのベクトルの正射影の符号つき長さをかけたものであるため).
本題
僕は高校生のころ,解法2のようなやり方を知って*1,すごいテクニックを生み出す賢い人間がいるんだなあと感心したものです.
ところが,大学に入って線形代数をやってからこの問題を解くと解法2の方がむしろ自然に思えるんですね.や,僕のアタマが良くなったわけではないです.
線形代数ってのはもともと連立一次方程式の解を考察することから生まれた理論なのでax+byのような形式がよく出てきます.なので(?),教科書の例も定ベクトルと動ベクトルを使ってうまく定数と変数が絡むように説明されることが多いです.つまり,行ベクトルと列ベクトルのかけ算なんかは
なんて書かずに*2,もっと方程式の形を意識して
と書きます.この行ベクトルと列ベクトルのかけ算って要するに行ベクトルを列ベクトルとして見てやったときの内積なんですけど,下のように変数を混ぜて書いてやれば上の問題の形に似ているな~って感じませんか?
要するに,大学の教科書でこういう定数と変数に分ける書き方を見慣れていると,突飛に思える解法2も自然な発想だと感じてくるんですね.
だからなんだって感じの記事なんですけど,言いたいことは,オトナが思いつくウマい変形とか解法の裏側にはこういう事情が隠れているんじゃないかな~ってことです.
大学生になっていろいろ勉強しているうちに,「あ,高校の頃やっていたこのやり方にはこういう背景があったんだ!」みたいのがあると嬉しいです.大学に入ったから高校までの知識はどうでもいいやってしないで,今の知識とリンクさせてみるのも楽しいと思います.
ちなみに,スマブラはその100000000000倍くらい楽しいです.
おしり