こんにちは。じーむです。
今回の記事はマジで医療系じゃない人には意味不明だと思うので読まなくても大丈夫です。本当にただの僕の勉強ノートです。「それでも」というバナージ・リンクスの皆さんだけ読んでください。
医師国家試験の問題では様々な検査の値が登場します。検査の値には基準値というものがあり、「この範囲に入っていれば健常だよね」みたいな感じで、検査値が基準値と比較して低いか高いかが重要になります。
たとえば、Hb(ヘモグロビン)の値は12〜18 g/dLが基準値ですが、検査の結果これが6 g/dLとかだと貧血でマズいねみたいな感じです(もちろん、大事なのは経過や病態と合わせて考えることですが)
で、基準値は基本的に問題文に書かれるのですが、一部の項目の基準値は「そんくらい覚えてね」ということで暗記することになっています。
しかしまあこの暗記が大変で、無味乾燥な数値を延々と頭に叩き込むだけなので、工夫が必要です。
今回は備忘録ということで、暗記の必要な基準値を僕がどう頭に入れているかを書きます。
ちなみに、電子カルテでは検査結果が高いか低いかを自動で表示してくれるのでこの暗記は無意味らしいです。そうなの?
それと、基準値は施設や文献によって多少異なるため大まかな値を掴むことが大切です。そういうわけで、「インターネットで調べたらこの項目が違いそうなんですけど!」とか言わないでくださいね。家まで行って、ビンタします(サインは応相談)
〜全体的なコツ〜
本などではよくA〜Bの形で書かれていることが多いですが、なるべくA±Bの形で頭に入れましょう。「大体このくらい」の感覚が大切です。
血算
赤血球
450万±70万
200万台とかになると低いですよね。上に行くことはあんまりないです。
Hb
15±3g/dL
こんなもんです。
Ht
42±6%
まあ、半分弱ですよ。
平均赤血球容積
80-100 μm^3
MCV<80で小球性
80<MCV<100で正球性
100<MCVで大球性
という貧血の分類とあわせて覚えています。
網赤血球
5-10万
なんか、赤血球の1%くらいあるとイイですよね。これが高いということは造血が盛んということなので(ホント?)、溶血か急性出血です。
白血球
5000-8500
10000超えるとアレだな〜というイメージを医学生はみんな持っているはずです。分画については
・桿状核好中球
0.9-9.2 %
あんまり覚えていません。
・分葉核好中球
44.1-66.2%
22×2〜3ですよ。なんか覚えています。
・好酸球
1-6 %
赤っぽいんです。つまり、「イロがついている」
・好塩基球
1%以下
メチャ少ないです。
・単球
2-8 %
なんか、覚えました。
・リンパ球
30-40 %
意外(?)と多いので覚えました。
血小板
15-40万
行こう!島へ!で覚えられます。
免疫学
CRP
0.3 mg/dL以下
どの科でも見かけるので流石に覚えます。
動脈血ガス分析
pH
7.4±0.05
pH7.4が人体の標準という常識を踏まえてその±0.05です。
PaO2
80〜100Torr
SaO2では95〜100%
やっぱり、100って良いですよね。
PaCO2
40±5Torr
血ガスを読むときに大事なので覚えられます。CO2が身体に溜まるタイプの呼吸不全をⅡ型呼吸不全と言いますが、その要件がPaCO2≧45Torrなのと合わせて覚えられます。
A-aDO2
≦20Torr
基本的には150-PaO2-PaCO2/0.8で算出されるため
150-100-40/0.8=0
アレ?
まあ、なんか覚えられます。
HCO3-
24±2mEq/L
これもね、覚えていないとお話になりません。
BE(base excess)
0±2mEq/L
なんか、0って良くないですか?
AG(anion gap)
12±2mEq/L
Na-(Cl+HCO3-)ですから、
136-(100+24)=12
です。
凝固系
赤沈(ESR)
2〜15mm/時
ニ〜〜〜〜イコです(?)
血漿浸透圧
275〜290mOsm/kgH2O
2Na+(血糖)/18+(BUN)/2.8で求められます。Naは135、血糖は90、BUNは14くらいなので、280くらいです。よく出来ていますね。
尿検査
尿pH
5〜8
こんなもんだよな、という感じです。まあ、H+を捨てているから酸寄りかしらというイメージです。
1日尿量
500〜2000mL
1日にできる尿毒症物質を捨てるのに必要な尿量が400mLと言われています。これを下回ると乏尿と言います。だから、それよりも多くないといけません。
こんな覚え方もできます。
膀胱は300〜500mLの内腔を持ちます。ペットボトル1本分のイメージです。だから、1回の尿量は300mLくらいです。大体1日に4〜5回おしっこすると考えると、1500〜2000mLは1日に出していますよね。
また、こんな考え方もできます。
心拍出量(CO)は5L/分で、そのうちの20%*1くらいが腎臓へ行きますから、腎血流は1L/分です。
腎臓で濾過されるのはこのうちの血漿成分だけです。要は、水の部分ですね。これを求めるには、1-Ht/100をかければいいです。Htは血の血球成分の割合です。だから、それを引けば水の成分が出るわけです。この値はさっきもやりましたが、大体45%くらいなので、半分強が水ということになります。すなわち、1分間に腎臓に来る水の成分(RPF)は
1L/分×0.5〜0.6=0.5〜0.6L/分
です。
このうち20%くらい(FF: filtration fraction)が濾過されます。つまり、糸球体濾過量(GFR)の基準値は100〜120mL/分です。したがって、1日に糸球体で濾過されて作られる原尿の量は100×60×24で144Lくらいです。このうち99%が再吸収され、1%くらいしか尿として出されないので、1日尿量は約1.5Lです。
このくらい頭に入れておくと、まあその辺の数字だなという気分になります。おしっこについて詳しくなって良かったですね。
尿比重
1.003〜1.030
なんか、並びがキレイです。
尿浸透圧
50〜1300mOsm/kgH2O
多尿の鑑別で重要なため、覚えられます。
沈渣中赤血球・白血球
1視野5個以下
これを見て血尿とか膿尿とか言います。色ではないです。
生化学
空腹時血糖
90±20mg/dL
血漿浸透圧でも出ましたが、大体90です。上限の110は境界型の判定やメタボの診断基準に使われていますから、あわせてチェックです。
HbA1c
4.6〜6.2%
しろ!浪人!
国試直前の受験生にかける言葉ではありません。
総蛋白
6.5〜8.0g/dL
浮腫の鑑別において重要です。ゆえに、覚えられます。以下、タンパクの内訳を書きます。
・アルブミン
67%
だいたい総蛋白の2/3くらいがアルブミンです。だから、5±0.5g/dLと考えています。
・α1グロブリン
2%
・α2グロブリン
7%
・βグロブリン
9%
これらは2+7=9です。
・ γグロブリン
15%
上の残りです。100-67-(2+7+9)=15
尿素窒素
14±8mg/dL
血漿浸透圧でも出てきましたが、14くらいです。2.8の倍数ですよ。
クレアチニン
0.6〜1.1mg/dL
オウム、良いね!!🦜
尿酸
2.5〜7.0mg/dL
痛風治ってニコニコで覚えています。
総コレステロール
170±50mg/dL
トリグリセリド
100±50mg/dL
LDLコレステロール
100±40mg/dL
HDLコレステロール
40mg/dL以上
こいつらはまとめて覚えられます。なぜなら
総コレステロール=LDL+HDL+TG/5
という算出式*2があるからです。
まず、TGは5で割るので5の倍数です。よって、100±50です。
LDLは高LDLコレステロール血症の診断基準で≧140mg/dLってのがあるので、100±40です。
HDLは良いやつです。低HDLコレステロール血症の診断基準で<40mg/dLがあるので、同様です。
これらを公式に入れると
総コレステロール=160±50になります。まあ、だからそんなもんです。
総ビリルビン
1.0mg/dL以下
直接ビリルビン
0.2mg/dL以下
間接ビリルビン
0.8mg/dL以下
これは、覚えられます。
AST
40U/L以下
四十(しじゅう)のSです。
ALT
35U/L以下
あんまり気にしていません。
Na
141±6mEq/L
血漿浸透圧で出てきましたが、135くらいです。SIADHで120とか切ると低すぎ!って感じです。
K
3.7〜4.8mEq/L
高すぎても低すぎても良くないです。不整脈を起こすからです。不整脈を起こすと皆、死やということです。
Cl
99〜106mEq/L
100前後です。AGの知識と合わせて覚えられます。
Ca
8.5〜10mg/dL
なんか覚えています。歯ごとカルシウムとかでも良いです。
P
3.5±1mg/dL
あんまり出てきません。逆に、覚えています。
Fe
70〜160μg/dL
七色の鉄とかいって覚えています。
こんなところです。暗記において大切なことを3つ書きます。
- 何回も見る
何回も見てください。低学年の頃から繰り返し見ていれば自然に覚えます。この記事を何度も見た場合、PVが増えて僕がうれしいです。Win-Winですね。
- なるべく理屈をつけて覚える
語呂合わせは最終手段です。まずは、自分の知識で説明できないか考えてみましょう。成功した場合、それは「再現可能な知識」になります。医ンプットで雑魚の語呂合わせを仕入れまくるのだけは本当に無意味なのでやめましょう。
- 語呂合わせを使う
上と矛盾するかもしれませんが、導きようのない知識に関して語呂合わせは有用です。ただし、条件があります。それは、語呂合わせを頻回に使うということです。すなわち、1つ目の「何回も見る」と根本的には同じです。あまり使わない知識に語呂合わせを持ち出すのは時間の無駄です。
以上です。実習前とかにこのくらいは頭に入れておくと良い感じだと思います。
終わり