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統計検定準1級に受かったよ

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じーむです。こんにちは。


統計検定準1級に受かりました。良かったです。


統計学は僕の本業にもうっすら関わっており有意義と思われたので勉強しておこうと思って受験しました。


一瞬、「本当に必要なのは医学統計の知識であり統計学そのものを学ぶのはあまり意味がないというか、Officeさえ使えればいいのにC言語を学ぶみたいな話なので骨折り損のくたびれもうけではないか」みたいな考えもよぎりましたが、いざやってみると医学研究に通じてそうな問題も多く、意外と変なところで役に立つかもしれません。目の前の患者を助けない、「データサイエンティスト」になろうな!


さて、準1級はどんな試験かというと



範囲がクソでけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜



これに尽きます。もう一度言いますが、範囲がクソでかいです。多分、医師国家試験よりでかい。


情報を専攻している友人らが口を揃えて言っていましたが、「準1級と1級は1級の方が難しいというわけじゃなくて、試験としての難しさの質が違う。1級に余裕で受かったりするやつが落ちたりする。」らしいです。


準1級と1級を大学受験でたとえるなら

センター試験全科目 vs. 二次試験数学

みたいなテンションです。わかったかな?(マセマ)


対策期間は1ヶ月です。部活も再開し、病院実習と合わせて三足の草鞋なので割とカツカツでした。八咫烏か?

教材

使った教材はこんな感じです。


まずは過去問。これがないと始まりません。準1級は歴史が浅く、問題が5回分しかないので中古などを利用して気合いで全部集めましょう。1級もついていておトク!と思いましたが、これは協会に騙されています。巧妙ですね。なお、例によって解説はあまりにもカス簡素です。様々な教材を併用して略解を解釈するのが学習の第一歩と言えるでしょう。



次に公式のテキスト。これも必須です。時系列解析とかそういう応用の範囲まで個別に本を用意すると膨大な分量になりますからね。デカすぎる範囲がコンパクトにまとまっているこの本はありがたいです。ただし、コンパクトにまとまっているということは記述も絞られているということです。初学者がギリギリ分からないくらいのまとまり具合ですから、理解に詰まってしまったら検索かけたりするのも手ですね。それと、各章ごとに過去問の類題が練習問題としてついており、これも過去問の少ない準1級受験には重宝します。



このブログを読んでいる方にはおなじみのシリーズで、僕のバイブルです。枕にして毎晩統計学の夢を見ています。とはいえ、準1級クラスになるとこの本では2割くらいしか出題範囲をカバー出来ません。基礎的な問題や用語の確認に戻ってくる参考書的な扱いですね。



東大出版の有名な三部作です。統計学入門(いわゆる赤本)の方は持っていますがぶっちゃけあまり使いませんでした。自然科学(青本)の方は確率過程などの応用分野で分からないことがあったときに参照していました。ただ、こちらもあまり使わない本ですし、中古もそこそこの値段がするので図書館で借りて済ませました。



本に関してはこんな感じです。基本的に、準1級で問われるレベルの内容を本で調べようとすると、マジでイカツイ本を読み解かなければいけなくなり非常に苦痛です。しかし、我々にはインターネットがある。インターネットでゆる〜く解説しているやつを探すのが一番良い!


www.data-arts.jp
統計検定の過去問を解説しているサイトです。著作権的にどうかは知りませんが、メチャクチャ有用なのでありがたく使わせていただきましょう。2019年の問題や一部の論述問題が抜けているのが難点です。


www.udemy.com
Udemyの初心者向け有料講座ですが、その辺の専門書の2億倍くらいわかりやすいです。やはり、動画学習は情報量が多く一番効率が良いですね。2級までの基礎的な知識にモレがある場合はこの講座で確認してみましょう。この方は本当に解説が上手なのでもっと評価されてほしいです。


www.youtube.com
こちらは同じ方のYoutubeチャンネルです。Udemyの講座と違って準1級の範囲にも含まれるような応用的なトピックにも触れられています。準1級の過去問を題材に解説している動画もあります。過去問を解いていてわからないことがあったらとりあえずここを探すのがベストでしょう。


www.youtube.com
ガチプロが美少女を装って機械学習について解説しているチャンネルです。しゃべりとキャラクターはゆるいですが、内容はちゃんとガチです。特に、ベイズ推定に関する解説はマジでどの本よりも分かりやすいです。僕はこの動画のおかげで論述問題を完答できたといっても過言ではありません。フツーに動画として面白いので統計学とかに興味のある人にはぜひ一度見て欲しいです。


その他、準1級の過去問解説をしている個人ブログなんかも意外と役に立つので探してみてください。

対策

具体的な対策ですが、基本は2級のときと同様に

いきなり過去問の答えを見る→略解の行間を埋める

の繰り返しです。が、この試験は範囲がデカすぎるため過去問ベースで解法暗記だと本番で全然知らないパターンの問題が出て太刀打ちできない可能性があります。


そこで、今回は出題分野を分析して的を絞って対策するといういわゆる王道の試験勉強もやってみました。


まず、協会から発表されている出題範囲表を見ます。
www.toukei-kentei.jp
そうすると、改訂後はROC,AUC,混同行列,ニューラルネットワークモデルの4単元が追加されているということが分かります。これらには過去問がないため、必ず公式テキストで式を追って概要を頭に入れておく必要があります。改訂によって追加されたということは、出題される可能性が非常に高いということですからね。実際に出ましたし。


次に、過去問を最新のものから解いていきます。5分くらい考えて分からなかったら答えを見て解説を解釈します。僕は自分なりの解説をiPadのノートアプリに記録していきました*1。単元によっては解説を読んでもチンプンカンプンだったりするので、まず公式テキストを読んでみましょう。95%くらいの確率で謎が深まって困惑すると思います。YoutubeやUdemyで探せば納得のいく解説があるはずなのでインターネットに頼りましょう。専門書を読んでわからないときに同レベルの専門書にあたるのは筋が悪いですからね。


そして、過去問を1問解いたら公式テキストで類題を探しましょう。公式テキストが素晴らしいのは膨大なトピックが一冊にまとまっているということだけでなく、過去問と数字を変えただけの類題が大量に乗っているということです。つまり、過去問とテキストの類題を合わせれば10年分の演習が出来るということです。理解度の確認にピッタリなのでここまでやりこみましょう。


論述問題は基本的に難しすぎるものが多いので、3問の選択問題のうち自分が解けそうなものだけやればよいと思います。


これだけだとすぐ終わっちゃうので、頻出の単元だけテキストを読み込みました。具体的には

  • 区間推定
  • 検定の基礎と検定法の導出
  • 正規分布に関する検定
  • 一般の分布に関する検定法
  • マルコフ連鎖
  • 重回帰分析
  • 回帰診断法
  • 質的回帰
  • 回帰分析その他
  • 分散分析と実験計画法
  • 主成分分析
  • 判別分析
  • クラスター分析
  • 因子分析・グラフィカルモデル
  • 時系列解析

(項目名は公式テキストの章名)
あたりです。ほぼ全部か?
量がヤバいので、コレは過去問とか全て終えて余った時間の範囲内で大丈夫です。公式テキストはマジで分厚いので、トチ狂っても通読とかはやめましょう。過去問演習をして大事なポイントを抑えてから読みましょうということです。


やったことは以上です。シンプルですね。勉強するときに意識していたことはとにかく

  • 「解答に使う式はなるべく導出する」
  • 「導出に時間のかかった結果はなるべく覚える」

の二点です。しょせん試験なので、「問題を解ける」を第一目標に勉強を進めるのが大切だと思います。

感想

前述の通り、とにかく試験範囲が膨大で大変でした。英検1級より勉強したかもしれません。しかも、同日に単語検定もあったのでそれの勉強も平行して進める必要があり、ハチャメチャに勉強していました。試験1週間前だけで計80時間くらい勉強した気がします。完全に人事を尽くした状態に仕上げてから行きました。


しかし、蓋を開けたら過去にないほどの鬼ムズセット。試験後にツイッターで検索をかけたところ、阿鼻叫喚の嵐でした。僕も流石に今回ばかりは不合格を覚悟しました。それだけに合格できたときの喜びもひとしおでした。本当によかったです。


実は過去にG検定という機械学習に関する検定も取っており、そのときに培った知識が勉強の手助けとなりました。このように、以前学習した内容がまた別の勉強に活きるのは、頑張ってよかった~という気持ちになりますね。


次は11月の1級に向けて頑張ろうと思います。機械学習の勉強もチマチマやっており、いつかオモロイことが出来たら紹介しようと思います。


それでは


追伸
統計検定準1級に関して知りたいことがあれば遠慮なくTwitterのDMまでご連絡ください。また、統計検定だけでなく英語の学習についてでも良いです。お気軽にどうぞ。

*1:需要があれば配布するかもしれません