こんにちは。じーむです。
たまにはちょっと真面目な話をさせてください。今から書くことは全て僕の妄想です。現実の制度とは全く関係ありません。
日本では医学部卒業見込み生および医学部卒業生に対して医師国家試験の受験資格が与えられ、これを突破することで医師となります。
医学部は厚生労働省によって定められた要件を満たすように6年制のカリキュラムが組まれており、多くの大学では4年間の座学+2年間の病院実習がスタンダードとなっています。
近年では一部の医学部において病院実習期間が伸びています。様々な理由があると思いますが、おそらくそれは年に数人しか選択しないであろうアメリカでの臨床資格獲得の要件を満たすためです。当然これにより授業時間は圧迫されます。
今日はこれについて思うことを記そうと思います。
医学知識は日々アップデートされており、10年以上前と比べて医学生の学ぶべき分量は増加しています。医師国家試験の問題を比較しても近年のものの方が明らかに難しいです。
これに対して授業時間の短縮という方針は矛盾しています。
もちろん、どうせ学生は授業など聞きやしないのだから良いだろうという意見もあると思いますが、忙しい実務の合間を縫って講義の準備をする先生方のお気持ちを察すると納得し難いものがあります。
個人的な意見を言うと、半ば職業訓練校としての役割を担っている医学部では一般教養に1年も費やす意味はないと思うので、ここに改善の余地があると思います。無論、全学の多様な価値観に触れる機会が失われてしまう弊害も理解しなければなりませんし、そもそも大学制度の意義を根底から崩しかねない論理なので与太話と思って流してください。
話を戻します。現状、アメリカでの臨床資格獲得という選択を与えるために臨床実習を増やした結果、座学の時間が圧縮されてしまったのです。
ここで視点をアメリカに移して、なぜアメリカでは臨床実習期間が長いのか考えてみましょう。
結論から言うと、アメリカの学生は真面目だからです。
アメリカでは科によって定員が定められています。そして、より大変な科にはより多くの給料が支払われます。どの科も同程度の診療報酬が担保されている日本とは異なりますね。これはそれぞれの国の保険制度を反映しています。
これにより、アメリカではより多くのペイを求めて医学生に競争が生まれます。つまり、医学生が能動的に学習するインセンティブがあるのです。*1
他方、日本の医学生は医師国家試験を除いて競争がありません。選択する診療科は自由であり*2、どの科でも一様な報酬が確保されています。熾烈な受験勉強をくぐり抜けたと思ったら、6年間飼い慣らされ鈍と化すのです。
短絡的な二項対立を掲げるなら、アメリカの学生は自主的に勉強し、日本の学生はそうでないということです。したがって、アメリカの臨床制度を日本に流用するのは無理があるだろう、というのが結論になります。
要は、臨床実習を削って休みを増やしてほしいということです。